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就労移行支援の受給者証とは?

「就労移行支援を使いたいけど、まず何を準備したらいいの?」
「“受給者証”って、聞いたことあるけど、なんだか難しそう…」
そんなお悩みありませんか?
就労移行支援を利用するには、“受給者証”が必要です。 でも、難しく考えすぎなくて大丈夫です。本記事では受給者証の概要や取得の流れなどをご説明いたします。

1.受給者証とは何か?

  • 「障害福祉サービス受給者証(以下、受給者証)」とは、市区町村が発行する公式な証明書で、就労移行支援や就労継続支援、生活介護などの障害福祉サービスを利用する際に必要な書類です。この受給者証があることで、「この人は障害の特性や生活状況から、支援が必要である」と行政が認めており、その証明に基づいて福祉サービスを安心して受けることができるようになります
  • 受給者証に記載される主な内容:
    • 利用者の氏名・住所など基本情報
    • 支給対象のサービス(例:就労移行支援、A/B型継続支援など)
    • 支給決定期間(=有効期限)
  • 事業所はこの受給者証をもとに支援計画を作成し、費用請求を行います。つまり、受給者証は「行政が支援を認めた証明書」であり、契約や支援の根拠となる重要な書類です。

2.申請から交付までの流れ

市区町村によって差はありますが、一般的には以下のプロセスで進みます。

  1. 事業所の見学・相談
    複数の事業所を比較し、自分に合いそうな場所を選びます。
  2. 申請窓口で意思表明
    市区町村の障害福祉課に「受給者証を取得したい」と伝えます。
  3. 申請書類の提出
    申請書・同意書・印鑑・本人確認書類・障害者手帳または診断書・収入証明などを提出します。
  4. 認定調査(ヒアリング)
    市区町村職員による聞き取りやミニ調査が行われ、サービス必要性を判断。
  5. サービス等利用計画案の作成
    相談支援専門員による計画案が作成されます(セルフプラン対応可)。
  6. 暫定支給決定
    審査中でも「お試し利用」が可能なケースがあります。
  7. 個別支援計画の作成
    正式に受給者証が交付される前でも、支援内容が整理されます。
  8. 本支給決定・受給者証の交付
    支給決定後、正式な受給者証が発行されます。

かかる時間の目安:自治体差はありますが、おおむね2週間〜2ヶ月程度です。

3.申請時に必要な書類・持ち物一覧

申請時には以下のような書類が必要になります(地域により多少異なります)

  • 申請書・同意書・訓練等給付費申請書
  • 印鑑(認印で可)
  • 本人確認書類(マイナンバーカード・免許証など)
  • 障害者手帳(所持していない場合は医師の診断書で代替可)
  • 医師の診断書や意見書(非手帳者、療養上必要な方)
  • 世帯収入を示す書類(市民税・課税証明書など)

わからない場合は、市役所または支援事業所で丁寧に教えてくれるので安心して下さい。

4.暫定支給の仕組み

  • 正式交付前に、短期間の利用を試す「暫定支給」制度があります。
  • 例えば、3ヵ月程度の暫定期間中に個別支援計画が作成され、期間延長が可否判断されます。
  • 体験利用がしやすく、自身に適しているか確認しながら手続きを進められます。

5.有効期限と更新手続き

  • 受給者証には支給決定期間が記載され、有効期限があります。
  • 就労移行支援は通常1年が多く、稀に2年の場合もあります。
  • 更新手続きは有効期限の2〜3か月前から可能で、自治体から案内が届きます。
  • 更新中も多くの自治体ではサービス提供継続が可能ですが、自治体による対応差があります。
  • 期限が切れるとサービス停止・再申請になるため、早めの対応が重要です

6.就労移行支援の利用手続きの流れ

正式な交付後、支援事業所と利用契約を結び、支援提供がスタートします。まずは、支援事業所との面談や体験利用を通して、「どんな支援が合っているか」「どんな働き方を目指したいか」を一緒に整理していきます。
そのうえで、受給者証に記載された内容をもとに、個別の支援計画を作成します。無理のないペースで、自分に合ったトレーニングを組み立てていきます。訓練内容は、PC訓練、ビジネスマナー、グループワーク、自己理解ワーク、軽作業など多岐にわたります。
「まずは生活リズムを整える」「人と話す練習から始める」といった小さなステップも大切にしています。また、就職に向けた履歴書の作成や模擬面接、職場見学などもサポート対象です。
「働きたいけれど、どう動けばいいかわからない」という状態からでも、一歩ずつ進めるよう寄り添った支援を行います。

就労移行支援は、あなたのペースで未来を形にしていく場所です。安心してスタートを切って下さい。

7.費用の負担について

自己負担は原則1割(応能負担制度)です。所得に応じて上限が定められています。

世帯区分月額負担上限
生活保護世帯/市民税非課税世帯0円
一般世帯(年収〜300万円)約9,300円
一般世帯(年収〜600万円)約9,300円
高所得世帯(600万円以上)約37,200円
  • 上限を超える料金請求はありません。
  • 交通費補助・昼食補助のある自治体もあります。
  • 工賃は就労移行支援では原則ありませんが、事業所判断で手当が支給されることもあります。

8.住所変更・転居・就職後の手続き

  • 同一自治体内で住所変更があった場合も届け出が必要です。
  • 他市区町村に転居する場合は、転居先で再申請が必要です。
  • 就職が決まった場合、受給者証の返却・支給停止手続きを行います。

9.よくある質問(Q&A)

  • 「有効期限が切れたらどうなる?」
    → 更新しないとサービスが停止し、再申請が必要になります。
  • 「更新中も利用できる?」
    → 多くの自治体では可能ですが、念のため窓口で確認するのが安心。
  • 「代理申請できる?」
    → はい。印鑑と代理人の身分証明書が求められる場合があります。
  • 「手帳がなくても申請できる?」
    → 医師の診断書を提出することで代替できます。

10.まとめ:受給者証のこと、むずかしく考えすぎなくて大丈夫

「書類って苦手…」
「役所の手続きって、なんだかハードルが高そう…」
そんなふうに感じる方は、決して少なくありません。

特に、初めて障害福祉サービスを利用しようとするときは、知らない言葉や制度がたくさん出てきて、不安になってしまいますよね。
でも大丈夫です。受給者証の申請は、ひとりで全部やらなくてもいいんです。

私たち支援事業所や、相談支援専門員が、あなたの“働きたい”という気持ちに寄り添って、準備から申請、利用開始までしっかりサポートします。
どんな小さな疑問でも大歓迎。「こんなこと聞いていいのかな?」と思わずに、何でも相談してくださいね。

受給者証は、就労移行支援を利用するための“入場券”のようなもの。
手にすることで、これからの選択肢が大きく広がっていきます。
「働くことが怖い」「自信がない」という気持ちを持ったままでも、全然かまいません。
大切なのは、“今のあなた”から一歩を踏み出そうとしていること。

参考文献・出典元

  • 厚生労働省:「障害福祉サービスについて」
  • 厚生労働省:「障害福祉サービスの利用について(PDF)」
  • 各自治体・相談支援機関による受給者証の利用手続きフロー・更新に関する案内